アニメ模様

アニメに関していろいろと書く予定です。コメントはお気軽にどうぞ。

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話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選

今年もこの企画に参加しました。集計は昨年に引き続きaninadoさんです。今年は分量が多めですが、どうぞ最後までご覧ください。

 ・2021年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
 ・1作品につき上限1話。
 ・順位は付けない。
 ・集計対象は2021年中に公開されたものとします。


スタッフの情報はwikipedia等を参照しています。



1. ゆるキャン△ SEASON2 第6話「大間々岬の冬」

脚本: 伊藤睦美  絵コンテ: 神保昌登、廣冨麻由  演出: ながはまのりひこ
作画監督: 渡邉亜彩美、堤谷典子、北島勇樹、遠藤大輔

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©あfろ芳文社/野外活動委員会

この作品は山やキャンプの良さ、敷居の低さ(ゆるさ)やキャンプ活動を通しての交流など、出来事や情景描写を中心にとにかくキャンプの楽しさを前面に出しています。特にこの2期では、観光PRアニメという印象さえ受けるのですが、その中で山やキャンプの厳しさを説いたこの話はここで取り上げる価値があると思います。

あおいの「冬キャンはええね~」という呑気な台詞で始まりますが、その一方でAパートからスマホの電池の減り具合や山中湖の気温などを通して、寒さを表現しています。

以前冬キャンを行った場所より今回の山中湖の標高が高いことに気づき始めてから、

あおい

「うちら、ちょっと冬キャンに慣れ始めて、油断しとったのかも」

大垣

「すまん、あたしとしたことが。気温とかそういうの全然調べてなかった」

という台詞などに表れているように、あおいや大垣たちもキャンプには危険や困難が伴うことを再度思い出したようです。話の流れとしては、結局のところ昼間知り合ったキャンプ仲間に助けられることになります。

あと、取り上げたいシーンとしては、顧問の先生*1

「ちゃんと下調べをして、十分に備えなければ、冬のキャンプは本当に危険なんです。もしかしたら事故になっていたかもしれないんですよ」

と時には厳しく言う場面です。このシーンも楽しさを前面に出している作品全体に対して印象付ける台詞となっているでしょう。ちなみにその後、先生が

「これからキャンプ場を決めるときは私にも相談してください。せっかく顧問になったんですから」

と寄り添う台詞もあって、硬軟付けているのもゆるキャン△らしさと言えるでしょう。さらには、志摩リンのキャンプの知識や経験の深さ*2と、仲間思いの一面*3が描かれていたことも評価を上げています。

やはり(山だけに)物語に起伏があると盛り上がります。


2. のんのんびより のんすとっぷ 第12話(最終話)「また桜が咲いた」

脚本: 吉田玲子  絵コンテ: 錦織博  演出: 新谷研人
作画監督: 井本由紀、竹森由加、渡辺一平太、谷口繁則、片山敬介、林信秀、金元会、原口渉

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©2021 あっと・KADOKAWA刊/旭丘分校管理組合三期

少なくとも私はこの作品に1期、2期(りぴーと)のような「永遠のマンネリ」、即ち、日常の他愛もないネタで起きるちょっとした事件や物語を求めていたのですが、この3期は少し様相が違い最初の頃は戸惑っていました。しかし、この方向性の変更は意図的になされていて、特に終わらせることを意識した上での展開だったということに気づき始めてからは、腑に落ち、3期の展開を飲み込めるようになりました。例えば、終盤のサザエさん時空*4からの脱却や新キャラしおりを通して、れんげの成長を描くなどは方向性を持った大きな変化でした。日常という普遍に対し、このような「変化」や「成長」を積極的に取り入れてきちんと結末を描いていたことは難しかったと思いますが、この3期の中では一貫性が取れていたと評価できます。単に視聴者の私が追い付けなかった、適応できなかった面もあるでしょう。

そして、この最終話は非常に感慨深い回でした。

まず、夏海と小鞠の兄、卓の卒業式で始まり、卒業式後にはれんげを始め、みんなが「ありがとう」と言います。これは卓=この作品れんげたち=視聴者、作品のファンであり、作品の門出を祝う構図になっているのでは、と個人的には感じました。

また、中盤ダンボールのそりで滑るシーンにおける、

このみ

「まぁ、なんて言うか、ひかげちゃんが東京行って、れんげちゃんが1年生になって、あかねちゃんと会って1年かぁって思うと、なんか長かったというか、短かったというか」

という台詞も1期の放送から約8年経ったことに対するメッセージや3期のテーマ「成長」を表現しているように解釈できます。

そして、最後の

れんげ

「いつもと同じ道じゃないん。雨の時とか曇りの時とか、いつも、ちょっと違って楽しいのん。今日もいつもと違うお天道日和なん」

という台詞は3期の全てを表していたのでしょう。そしてそれを体現したような、いつもの登校シーンに新キャラしおりがいるカット(キャプチャー画像参照)で幕を閉じるのも非常に特徴的です。

私は1期と2期をリアルタイムで見たわけではないので、その感慨を100%得られなかったかもしれませんが、大団円という言葉が決して大げさではない感動的な終わり方でした。

とは言え、またサザエさん時空でも帰ってきてほしいと思っています。


3. サザエさん 第2595回作品No.8214(2021年4月4日(日)Aパート)「タラちゃんプリーズ」

脚本: 雪室俊一  演出: 森田浩光  作画監督: 関本渡

サザエさん時空の語源となる作品がやってきました。
過剰な詮索や英語を使うだけで目立つといった、サザエさん独自の価値観で話は進みますが、今回これを取り上げた理由は改めてコミュニケーションについて考えてみたかったからです。

タラちゃんがとある家で犬のしつけに使っていた英語を用いて、カツオに注意することから始まり、最後には英語でカツオが波平に怒られるピンチを救うところで終わります。話の中ではイクラちゃんが英語を使わなくても犬とコミュニケーションをとれたことにタラちゃんががっかりして、犬に会いに行くのをやめてしまいました。

この話から見えてくることは、長い文章にしなくても、1単語でもコミュニケーションは図れるということです。また同じ言葉でも言い方一つでニュアンスは変わり(声優さんの演技のお陰です)、それが波平の「バカモン」に表れていました。

余談ですが、サザエが言うには、イクラ語を理解できるのはタイコさんだけだそうです。もちろん母親だからなのですが、やはりタイコさんはツイッター界隈のヒロイン*5になるだけのことはあると、多少大げさながらに思いました。


4. オッドタクシー 第4話「田中革命」

脚本: 此元和津也  絵コンテ: 木下麦  演出: 大庭秀昭
作画監督: 土信田和幸、山縣亜紀

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©P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

この回は冒頭から前回3話までとは異なる切り口で始まり、視聴者を引き込んでいきます。

前半では田中が小学生の頃にネットオークションで詐欺に遭ったことを回想します。後半では田中が大人になり、レアなキャラクターを手に入れることと、ネットオークションのリベンジを果たすためにソーシャルゲームにのめり込んでいきます。話の最後、小戸川のタクシーの急発進により田中がスマホを落とすシーンで第3話と繋がっていき、田中がスマホの故障によりやっと手にしたレアキャラ、ドードーを失った恨みを晴らそうとするところで終わります。

このネットオークションやソーシャルゲームという見えない相手との取引*6や他人にとっては理解しにくい理由で復讐を果たそうとすること、さらには偶然に拳銃というある種のキーアイテムが手に入ることなど、全盛期の「世にも奇妙な物語」(「オッド」ですし)のような構成は視聴者の私を釘付けにしました。また、田中のナレーションもすごくテンポが良く、例えば「~と言えば、大げさというより、嘘だ」やクレジットカードの余談を入れていることも、ささいな出来事をいかにも大事のように見せて(聞かせて)いました。

ただし、この話だけを見ていると、本編で田中自身が「田中革命」と呼ぶことにすると語っているとは言え、あまり「革命」っぽく成功していないのですが、12話の田中の役割まで考えると「田中革命」なのでしょうか。


5. スーパーカブ 第6話「私のカブ」

脚本: 根元歳三  絵コンテ: 平池芳正、相浦和也  演出: 相浦和也
作画監督: EverGreen、24FPS、顾金秋、陈玉峰、杭清华、王振业、俞天翔、赵玲、施国平、刘军、朱央、徐闯、芝田千紗、五十川久史

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©Tone Koken,hiro/ベアモータース

修学旅行当日に熱を出し、朝、欠席の連絡をした小熊が昼になり熱が下がったので後からカブで追いかける話です。

修学旅行による開放的で羽目を外す展開*7、山道から家が並ぶ町への風景の移り変わり、そして最後に礼子がハンターカブを(中古で)買う決心をするという、これらの壮大な出来事をこの作品らしい静かな演出で見せていることが魅力的です。

また、個人的には声優の原えりこさんが出ているのも評価のポイントです。先生役以外にもモブの高校生役で出てらして、ひかるちゃん(ってこの記事の読者はご存じだろうか)を連想させる可愛い声が今でも出せることに感銘を受けました。

シリーズ前半でカブの備品整備やメンテナンスなどの基本的な扱い方を描いた後で、一つ集大成のような位置付けであるのも選出の決め手でした。


なお、本放送後、最後の二人乗りのシーンが話題になりました。

以下、このシーンに関してとりとめもない話を長々としているので、興味のある方はクリックして開いてご覧ください。


6. ぼくたちのリメイク 第9話「見せつけられて」

脚本: 伊神貴世  絵コンテ: こでらかつゆき  演出: 立田眞一
作画監督: 柳川沙樹、清水慶太、北村友幸、山崎まさかず、山本篤

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©木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会

この9話~11話(、12話前半)はパラレルワールドのゲーム制作会社での、主人公恭也の話になります。私はアニメ化に伴い先に原作を読んでいたのですが、その時はせっかくの学生生活の群像劇から離れてしまうことをつまらなく感じていました。しかし、アニメになって見ていると、学生時代を描いた前半よりじっくりと描かれていることもあって、決して退屈させない構成になっていました。

改めてこの回の状況を説明すると、2016年から2006年に転生しそこで第二の学生生活を送っていた恭也が、突然元の世界とは異なるパラレルワールド(リメイクした延長)の2018年に移ったところから始まります。

最初は突然の状況の変化に戸惑っていましたが、御法彩花*8を上手く説得する話術などで自身の経験を活かし、新しい世界にも溶け込みつつありました。さらに、前半最後には

恭也

「望んでいた未来とは少し違うけど、この世界でもやれることはある。こうして才能あるクリエイターと仕事もできるし、ある意味夢は叶っているじゃないか。よし!」

という自信のあるセリフで終わります。

しかし、後半になると元の世界で活躍していたプラチナ世代パラレルワールドでのギャップ、そしてその要因が自分にあることに悩み、自分の行いを悔いることになります。最後に妻の志野亜貴(シノアキ)の胸元に埋まり途方に暮れ、文字通り、先の見えないことを示唆するようなシーンで終わるのも印象的です。

個人的に気に入った理由は大きく場面が変わっても軸をしっかりと見せてくれたことです。それは先述の通り、前半と後半のテーマが分かりやすいこと*9や、しかし一方で、御法彩花とシノアキの絵が描けない悩み*10というこの回で一貫した要素があることです。

ちなみに気になったシーンとしては、恭也がシノアキに絵を描かないのか尋ねた時に、最初は「お父さん」と答えますが、すぐに「恭也くん」と言うところです。この世界のシノアキにとってイラストは学生時代の時に終わり、家庭がある現在とは一線を画す存在であることを暗に示していました。

興味を次回以降に引き付けていて、一連の流れの導入にあたる話としてはよくできていたと思います。ストーリー展開は概ね同じであっても、原作とアニメで異なる楽しみ方ができました。私にとってはサブタイトル通り「見せつけられた」回でした。


7. 白い砂のアクアトープ 第11話「籠城の果て」

脚本: 千葉美鈴  絵コンテ: 浅井義之  演出: 阿部ゆり子
作画監督: 井上裕亮、宮崎司、水野紗世、入江健司、佐野このみ、真城楓、Shin Min seop

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©projectティンガーラ

前半の舞台であるがまがま水族館の閉館とそこから見えるくくると風花の気持ちの変化を描いていることが選出のポイントです。

あらすじとしてはがまがま水族館の閉館が決まり、それに反対するためにくくるが水族館に立て籠る中、台風とそれによる水族館の被害を経て、くくるが閉館の現実を受け入れる流れです。

がまがま水族館はくくるにとっては両親を感じられる唯一の居場所でした。くくるが風花の入館を拒むことや仕切りに風花を追い出したがるのは、水族館に一人でいることで夢を見ていたい(ドアを開ける=現実を受け入れる)ことと、それを風花にかき乱されたくないということなのでしょう。

また、

くくる

「沖縄には毎年台風が来る。大丈夫乗り越えて来たんだから」

という後半の台詞からは、今回の台風(=がまがま水族館の閉館という難題)を乗り越えられると考えていたと推測できます。

そして、くくると風花が言い争っている内に停電が起こります。

くくる

「なんで、やめてよ。ここにいたいだけなのに」

という台詞は切実さが出ています。

その後、風花の励ましと駆けつけたおじいたちの手伝いもあって生き物たちは事なきを得ました。

おじい

「くくる、生き物を信じなさい。彼らはそんなにやわじゃないよ」

これは水族館の生き物以上に気持ちがやわになっているくくるを励ましているようにも思えます。そして、この後電気が復旧します。

おじい

「よーく、頑張ったねぇ」

という台詞からは一区切りを感じさせられます。それから、くくるもがまがま水族館の限界を感じたようです。台風が過ぎた青い空の下、閉館したがまがま水族館を後にしてこの回は終わります。この演出も見事です。

天候だけでなく通電/停電の切り替えがくくるの感情の浮き沈みと対応していましたし、台風と閉館という二つの困難を上手くなぞらえていました。そして、この回を見ていて思ったことは風花が成長を感じられたことです。最初はペンギンにエサをやるのにも戸惑っていましたが、この回では率先して手伝いをしていました。また、くくるを支えていたところもそう言えます。冒頭と重なりますが、くくると風花の成長を描いていたことも含めて、前半の山場であったことは間違いないでしょう。

さて、私はこの回をそのように見ていましたが、もっと掘り下げているブログを見つけましてさらに考察を深めることができました。ここで紹介します。

dwa.hatenablog.com

特に「心の台風」という視点は私は気づかなかったです。


8. プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜 第3話「all for one」

脚本: 待田堂子  絵コンテ: 安齋剛文  演出: 永富浩司
作画監督: 三島千枝、周昊、ブラガリ・ポッター、滝澤陸

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©2020 プラオレ!メディアミックスパートナーズ

主人公愛佳(まなか)の幼馴染、真美の転校という大きな出来事と、作品の合言葉「心の絆でパックをつなげっ!!」を体現したストーリー展開だったことが印象深いです。

真美が2学期終了後に転校することを知った愛佳たちは

愛佳

「私たちが真美のためにできること、それはきっと最高の思い出を作ることだよね」

と、2学期最後にアイスホッケーの試合をすることを企画します。2カ月半しか時間がない中で、コーチの下厳しい練習メニューこなし、試合へ向け準備をしています。

試合は山梨のジュニアチームと経験のあるチーム相手で、1対9で敗れてしまいますが、1点の重みはとても大きなものがありました。

愛佳

「だから、真美がつないでくれたこのパック。絶対に決める!」

と気持ちのこもった1点なわけです。

試合後の

真美

「とっても楽しかったよ、みんな。ありがとう」

も印象に残ります。

練習やプレイシーンと、物語を描く分量のバランスがとれていてテンポが良かったです。ポジションについてなどアイスホッケーを知りながら、作品を楽しめました。ところどころ、練習シーンを台詞を入れずにBGMに乗せて見せているのも良いです。加えて、真美とのお別れに焦点を当てているため、アイスホッケー初心者の彼女たちが様になるまでの経緯を違和感なく飛ばせることも見やすくなっています。

また、真美の作った横断幕「心の絆(でパックをつなげっ!!)」は作品のテーマでした。それが全員で取った1点やお別れの愛佳のセリフなどにも表れています。

愛佳

「私たち、離れたってずっとつながってる!」

そして最後には、次回以降の重要キャラ優が日光を訪れたところで終わり、一区切りをつけています。

ただし、この3話が一番の山場になってしまったことは作品全体として物足りない限りでした。でも最終回は良かったです。


9. SELECTION PROJECT 第10話「ただ 歌いたくて」

脚本: 高橋悠也  絵コンテ: 金成旻、杉野垣裕菜  演出: 金成旻
作画監督: 山野雅明、澤井駿、小倉寛之、ウクレレ善似郎、中本尚、剣

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©SELECTION PROJECT PARTNERS

どの2人を落選させるかについての投票結果とその意外な結末、そしてそれを受けて新たな道へ進むこと、さらには玲那の歌に対する心のつっかえがとれ、歌を歌いたいと心から思えたことが描かれていて、良い意味で振り回された1本でした。また、グループ名9-tieが作中で決まる回でもありました。

さて、前回までを受けて私は9人のうち2人を落選させる投票結果について気になっていました。この話を時系列を追って説明すると、冒頭は最近のアニメでよくある後日談風の晴れたある朝から始まります。鈴音が玲那の家を訪れ、玲那が姉の灯に鈴音を紹介し、二人でアイドル灯について楽しく話し合っていました。私はその様子から、この2人だけが落選または辞退したかのように思えました。

また、

玲那

「ごめんなさい、私のせいで」

玲那

「私はもう。これからはエールを送る側になるから」

といった台詞からも私には鈴音と玲那が落選をした*11ように思わされました。さらには他の7人が改めて地元から出発するシーンもその予想に拍車をかけました。

そのように焦らされた後、前半最後で意外な結末が示されます。全員が自分に1票を入れる意思を変えないため、SELECTION PROJECTの規定により、全員不合格となったのです。

しかし、視聴者にがっかりする暇を与えない後半の新たな展開が待っています。

玲那の企画の下、9人独自でアイドル活動をすることに決めます。そして、この時はまだ自分が歌うことを拒んでいた玲那が、その後、動画を見たり思い返したりして、ようやく"歌"を見つけられるようになります。

広海

「やっぱ9-tieは9人やないとあかんやろ」

玲那

「歌いたい。歌いたい、みんなと一緒に!」

ちなみに9-tieは鈴音が考えました。

新たなスタート*12とグループとしての団結を確立させた話でした。玲那の姉と歌に挟まれた複雑な気持ちから、やっと抜け出せたことも大きな転機でした。

個人的に好きなキャラクターである広海のリーダー気質な一面が少ないながら垣間見えたことも気に入っています。さらには、会議ソフトを使ってのオンラインでの打ち合わせはオンライン化が進みつつある現実の視聴者に対して共感を誘います。また、その表示名に個性が出ていて*13、細かいところも見どころです。

心からエールを送りたくなります。


10. ブルーピリオド 第10話「俺たちの青い色」

脚本: 吉田玲子  絵コンテ: 網修次郎  演出: 網修次郎
作画監督: 三橋美枝子、Min Hyeonsuk、An Hyojeong、龍光、明光

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©︎山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会

この話では自分から見える自分他人を通して見る自分を1本の中で描いています。前者は自分の「裸」通して、主人公八虎(やとら)が自身を見つめ直すことで、後者は八虎が苦手としていた龍二と共に過ごすことで、発見をします。

予備校講師の大葉の話によると、裸とは

大葉

「自分の裸を見つめ、自分の裸を見せるのは、ありのままを認めること。きれいなとこも汚いとこもね。難しいのよ~。一生服を着たままの人だってたくさんいるわ」

だそうです。

以前から八虎は真面目で親や他人には迷惑をかけないようにいていました。また、人一倍の努力をして自信のなさや不安を補っていました。

一方、龍二は対称的で親との関係は悪く、唯一の理解者は祖母でした。しかし、龍二が破天荒な生き方をしているのかと言えば、そう見えるだけで、祖母のために祖母が好きな日本画家を専攻しようとして、他人の目を気にして生きていました。

そのような二人が前回9話での経緯から*14、たまたま来た電車の終着駅小田原の旅館で二人が同じ部屋で1泊することになります。静寂の中で龍二に促され、セルフヌードを描くことになり、八虎は「何万回も見てきたはずなのに~」と新たな発見をします。

龍二

龍二

「それで服を作る仕事する。裸も裸を飾ろうとする人間の自由さも、醜さも全ていとおしいじゃない」

と服を着ている(外面を着飾っている)人に対しての見方を変えることができたように思えます。

また、両者とも決して押し付けられて新たな見方を得るのではなく、自ら見つけ出したところも美術を扱っているこの作品らしい良いところです。

気になった台詞を取り上げると、

八虎

「でもそれ*15って理解じゃなくて、カテゴライズだよな。俺もぶっちゃけ、お前のこと、女装男子って思ってたけど、今はほら違うし。でも俺も自分で勝手にキャラ作りしちゃう気持ち、分かる」

です。人を簡単に分類できないものの、区別するために簡略化してしまうことが往々にしてあることを言い表しています。

なお、最後はこの回でも表れていた心身の疲労から、2次試験当日に試験会場で倒れ込むシーンで次回へ続きます。

衣服の着脱と自身の気持ちや生き方を重ねたテーマ性、人や絵はラベル付け(カテゴライズ)できない多面的であるというメッセージ、一つ一つの台詞回し、程よい緊張感が漂う演出や間の取り方、作品のキーワードでもある「ブルー」を海を通して表現したことなど様々な要素を詰め込んだ回でした。

ちなみに、これで「のんのんびより のんすとっぷ」12話と合わせて吉田玲子さんの脚本回を2本選出することになりました。


まとめ

昨年の反省点であるクールの偏りや作品全体を意識していた選出についてはある程度改善できたと思います*16*17。でもコメント自体については作品全体のコメントが混ざっている作品もありますね。


さて、今年の反省点を考えることとします。

文字数が多すぎる

→はい、ごめんなさい。こういうことを書いているから長くなるのですが。昨年と比べて3倍近くになっているはずです。昨年は最初から参加するつもりはなかったですし、そういう視点でアニメを見ていなかったので、コメントも少なめでした。今年は10選を意識して見ていましたので、その分力の入った記事になっています。また、作品をご存じない方やお忘れになった方でもある程度分かるようにあらすじを書いていることも文字数が増える要因でしょう。いずれにしても、空回りでなければいいのですが。

選出話について、導入をとるか、結末をとるか

これは反省ではないのですが、振り返る意味でコメントします。

今回の10選を分類すると大きく3つに分かれます。

①1話で完結した話
ゆるキャン△ SEASON2 6話/サザエさん/オッドタクシー4話/スーパーカブ6話

②これから続く流れの導入の話(または中間の話)
ぼくたちのリメイク9話/ブルーピリオド10話

③1つ大きな結果(出来事)が描かれた話
のんのんびより のんすとっぷ12話/白い砂のアクアトープ11話/プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜3話/SELECTION PROJECT10話

明確に分類できない話数もありました。①と③はその話でオチがあるわけです。やはりそういう回の選出が多いですが、一方で②に該当する次回以降に繋がる話をいくつか選出した点は個人的には面白いと思っています。また、③にしたものの、今後の核となるテーマがあったプラオレ!3話やセレプロ10話もそのような面もあります。
つまり、結果のインパクトだけでなく、そこに至るまでの描きかたやどのように入り口を描くかにもある程度焦点を当てて見ていたということでしょう。先ほど記事を振り返ると、昨年は②のような選出は一切していないので、これは私の選出スタイルの幅が広がったのかもしれません。

来年はすでに続編の放送が決まっている作品もあります。私の中で続編が期待通りに心をつかむのか、それとも初めて出会う作品が10選入りするのか。また来年の年末には振り返れたらと思っております。

長い記事を最後までお読み下さり、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

(返事は遅くなるかもしれませんが、コメントはお気軽にどうぞ。)


*1:厳密に言えば、代理で担当しているだけ

*2:山中湖というだけで気温を調べようとしたこと

*3:先生に連絡をしたこと

*4:1年以上経ってもキャラが歳をとらないこと

*5:詳しくは「Lチャート - サザエさん実況ガイド Wiki*」を参照のこと

*6:むしろこの回は目の前の相手とのやり取りがほとんどありません

*7:カブで追いかけることや後述する二人乗りなど

*8:みのりあやか、パラレルワールドでのイラストレータ

*9:前半は上りで後半で下る展開になっていて、起承転結がはっきりしていること

*10:描きたいものがなくなったこと

*11:ただし、前回の筋から考えれば、誰一人として欠けてはいけないことを9人で確認したので、特定の2人だけが落選することは考えにくいのですが、一方この2人だけはやや特別な位置づけで話が進んでいるため、何らかの形で2人だけ外れた可能性も考えられたという意味です

*12:実は11話以降、また企画「SELECTION PROJECT」に戻るのですが

*13:広海→「ひろみ」、玲那→「Rena☆」、凪咲→「nagisa("絵文字")」、逢生→「AO :)」など、キャプチャー画像も参照のこと

*14:簡単に述べると、八虎が龍二の精神が病み始めているように感じて、それを放っておいたまま2次試験に集中できないため、龍二と共に家出(もどき)に同行したこと

*15:一人称に「私」を使うことが女らしいこと

*16:白い砂のアクアトープは前半クールを選出したので、7月~9月クールに分類すると、各クール2本×4とサザエさん1本、10月~12月のみ+1本で合計10本となっています

*17:今回はゆるキャン△2期第6話、プラオレ第3話のような選出ができました