第9話「釣りキャンプしたい!!」
小春が主役の回で、子供らしさと大人らしさがテーマでしょうか。恋ちゃんからすれば「見た目も頭脳も大人だもん」
一方、
「人を説得するには、相手に信頼され論理的にプレゼンすること」
ちなみに恋ちゃんの母親が3人で話し合っている様子を見つめるシーンがあったのですが、それは小春やひよりを見守ってのことなのか、それとも自分の娘の恋ちゃんが大人っぽいことに感心しているのか、どちらなのでしょうか。
さて、後半では
「大の大人でも寡黙な人でも、釣りのこととなると、子供みたいにキラキラした顔になるでしょ。そういうのを見てるのが多分、好きなんだよ」
ストーリーとしては小春を中心とした回でしたが、コメントは恋ちゃんのことばかりになってしまいました。
ひよりと父親の間はまだ少し距離がありそうです。「小春」に対して、「ひよりちゃん」でした。でもひよりが父親に勇気を出して主張したところにはひよりの成長が見てとれました。
第10話「私もがんばりますねっ」
アウトドア要素が多めでしたが、ストーリーは二葉の話でした。「皆きっと、海と魚のこと、たくさん知って、たくさん考えて、無理を可能にしたんだって。(中略)そういうの、憧れるよね」
小春の展示もひよりのクラスの和風喫茶もクオリティが高いです。
次回予告に一花がいましたが、EDには名前がなかったと思います。
第11話「大切なもの」
いやいや、言語化するのが難しいですが、最終回前に感動的な話でした。メインキャラ総揃い*1やキャンプという形式的なところも壮大ですが、他人の評価やひよりとの思い出を振り返りつつ「大人らしさ」を考える恋ちゃんをこの話の核に据えていたことが非常に印象深いです。「一番か。でも、一番って重たいよ」
「二葉ちゃんにとっては、楽しいだけじゃなくて、安心できる友達でもあるんじゃないかな」
「物わかりのいい振りをするのも辛いものだよね」
恋ちゃん自身の悩みのようにも聞こえます。
「大人ぶってるだけで、中身は考えなしの子供のまま。踏み入れば踏み入るほど大切なものを傷つける。だったらもう私は」
大人らしさ、子供らしさとは・・・。でも(視聴者も含めた)周りからすると大人らしさが良いところだと思いますし、恋ちゃんにとっては後にお節介に思うことでも背中を押したこと*2で助けられた人がいるわけです。一方、第2話で父親を亡くしたひよりに対して声をかけられなかったことを恋ちゃんを小春が励ましていて、そして今回はひよりが慰めているわけで、このようにお互いを支え合う間柄であるのも作品のテーマの一つなのでしょう。
子供時代の回想シーンはよくある手法ですが、他とは一線を画す作りになっていました。
第12話「二人で選ぼうっ」
最終回らしくない話で中盤に入れられたら良かったなと思いました。これは2期への布石と解釈しておきます。(笑)ひよりと小春の両親を見守り頷く恋ちゃんの母親と、ひよりと小春を見守り笑みがこぼれる両親、これらは一つ再婚生活が落ち着いたことを感じさせられます。作中ではそれほど再婚家庭の難しさはなかったように思えました*3が、釣りが家族を繋いだというのを一つのテーマとして据えていたことを改めて見てとれました。アルバムを埋めていくのはこれからの家族と友達ということなのでしょうし、前向きな描写で締めたのはこの作品らしさとも言えます。また、小春の名前の由来についても説明があり、第2話の恋ちゃんの名前の由来の描写も含めて、名前という親からの最初の贈り物を通しても家族の温かさを伝えたい作品なのかなとも思います。
他に気に入ったシーンは、しっかり者の恋ちゃんでも子供の時は泣くこともあったこと、恋ちゃんの釣りについて、自然全体を観察しながら試行錯誤するのも面白いと言ったこと、そして小春の子供っぽいところ*4などです。
最終回は釣りやフライの細かい知識、料理、そして誕生日と詰め込みすぎて少し空回りした感じもありましたが、こういう終わり方もまた良いのかもしれません。
最後に恥ずかしながら私は気づかなかったのですが、OP映像の最後で恋ちゃんが加わっていたようです。見返したら確かにそうでした。
まとめ
色々と書きましたが、とにかく素晴らしい作品だったということに尽きます。家族観、アウトドア、料理と多くの題材を扱っていましたが、どっち付かずにならずに家族や友達を繋ぐスパイスとして上手に取り込んでいました。キャラクターに関してもメインの3人が時に突っ込み、時に支え、時に引っ張る関係で台詞も物語も面白くしていました。さらには二葉を通して、メインキャラとは異なる目線でのテーマを入れられ、話の幅を広げていました。1話1話の思い入れが強く、嬉しい悲鳴とは言え、年末の話数10選候補もいくつかあり悩ましい限りです。
関連記事