2022年10-12月期アニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」の9話~12話のコメントです。
- 第9話「DIYって、どっきり?・いがい!・よていがい!」
- 第10話「DIYって、どんぞこ?・いんぽっしぶる?・ゆうきとやるきがあればなんでもできる!」
- 第11話「DIYって、どぅー・いっと・ゆあせるふ!」
- 第12話「DIYって、どんなときも・いつまでも・ゆうじょう!」
- まとめ
第9話「DIYって、どっきり?・いがい!・よていがい!」
せるふが「役に立つ」ことにこだわる一方で、部活としての個性や役割からせるふの良さを浮かび上がらせていました。ぷりんはせるふの想像力を評価していました。また、せるふがジグソーを落とした時にみんなは駆け寄るのに、ぷりんだけ立ち上がって止まるのも彼女の心情を表していて、細かなところですが面白いです。
「でも、一人でできるところを見せたいと…」
「何言ってんだ!私たちは"DIY部"、だろ!」
「せるふさん、みんなで作りましょ」
「無理しないで、それぞれができること(を)、すればいいんだにゃあ」
ジグソーの使い方(位置の合わせ方)やドライバーの回転といったDIYの豆知識や、ミート(子豚)たちの出番が多かったことも面白かったです。
「こら、工具を振り回すんじゃない」
第10話「DIYって、どんぞこ?・いんぽっしぶる?・ゆうきとやるきがあればなんでもできる!」
秘密基地用の木材が捨てられてしまった場面からですが、涙を表すような雨漏りで始まり、せるふの目を見せない意図的な演出が特徴的でした。また、ぷりんがせるふの家を訪れ、子どもの頃にベンチ作りに使った「せるふ・みく(ぷりんのこと)」の2人の名前が入った木の板を見せ、二人の思い出からせるふが立ち直るのも練られた展開だと思いました。作中の小説『ひまわりの少女たち』に由来する手書きのポスターという手法や、ネットで募るジョブ子、そしてSNSで拡散する高齢者など、小ネタも健在でした。
その中で、顧問がOGから集めた木材を持ってきて、
「最先端の技術で高い性能の製品を大量に生産することができるようになって、人類は安価で豊かさを享受できるようになりました。(中略)ですけど、自分の手で、みんなが力を合わせて何かを作るというのもいいものですよね」
「DIYって、とっても楽しいですもんね」
「矢作さん、せるふさん、日蔭さん、ジョブ子さん、心さん。だから、あなたたちにもできます。先輩方の思いを受け継いで、秘密基地、頑張って作り上げてください」
そして、最後に
「ぷりんも一緒にやろ!?」
顧問の手助けで解決してしまうことの是非はあるのかもしれませんが、顧問もDIY部のOGであることを踏まえれば、先輩からDIYの精神を受け継いだという、肯定的な見方ができるとは思いました。部室も初代部員が作ったみたいですし。
第11話「DIYって、どぅー・いっと・ゆあせるふ!」
ようやく、ぷりんがDIY部に加入しましたね。少し恥ずかしがっていたもののエプロンを受け取って、「ありがとう」
「誘ってくれて、ありがとね」
今日はサブタイトル通り、DIYや部活の要素が多く、部活をやっている雰囲気を前面に出していました。木材の規格で具体的な数値を出していたり、休みがてらおやつを食べていたり、せるふが疲れてすぐに布団に寝入ってしまったりです。梁についての黒板風の解説も面白かったですし、他にも防腐剤の説明も細かいところでした。
一方、せるふとぷりんの関係性も軸になっていて、おやつのパンの交換や、夜に隣同士の家なので、窓越しに会話*1をしていました。
さらには、秘密基地の屋根の木材が不足のため、部室の床板等を外して使いましたが、それは部室を作った初代部員の思いが秘密基地にも受け継がれることを意味していて、良いキーになっていました。
この回はBGMも目立った印象です。
スタンドグラスの絵にひまわりがありましたが、『ひまわりの少女たち』でしょうか。
第12話「DIYって、どんなときも・いつまでも・ゆうじょう!」
冒頭の「よし、これが最後のネジ止めだ。せるふに任せる」
「(せるふの返事を受けて)もちろん。あの時、たまたませるふにねじ止めを頼んだことが今日につながったんだと思う。(間をおいて)だから」
その一方で秘密基地の完成にそこまで時間を割かず、ジョブ子とのお別れやその後のせるふとぷりんの関係性に重きをいて、DIYとともにキャラクターたちの物語であることもまた良かったです。ジョブ子はDIY部に家族のような温かさを感じられたようで何よりでした。
「いつも本音で話せたら、もっと楽なのにね、私もぷりんも」
「一緒に作るわよ」
OPを入れるタイミングも良かったです。
まとめ
面白い作品でした。DIYということでキャラクターがみんなで作業をしていくところも微笑ましいですし、その中で気持ちの変化や小さな物語があって、DIYの温もりが作風にも表れていました。しっかりしたオリジナルアニメでした。関連記事
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*1:家が隣同士で窓越しの会話という場面は他作品にも見られます