2023年10-12月期アニメ「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」の6話~9話のコメントです。
第6話「コノハを信じて!」
不本意な形ですが、リセットしてこれからゲーム制作へ向かうことが示さた1話なのかなと感じました。前半は探偵的なことでどうなるのかなと思いましたが、結局典型的な投資詐欺に引っかかった守の父親というオチでした。父親も色々と劣等感と言いましょうか、そういう気持ちの中で飲み込まれてしまったのかなと思います。「ヒット作で人生おかしくなっちゃったんだよ」という台詞がありますが、冬夜の姿や性格の変わり様もその一例に見えました。
さて、最後のコノハの熱弁は書き留めるに値する力強いものでした。
「(前略)過去とか未来を変えちゃうなんて関係ない。コノハはコノハが今できることをやりたい。守くんはこのまま諦めていいの!? このまま何にもなくなっちゃてもいいの!? そうじゃないはずだよ。守くんは本当は熱いハートを持ってるんだって、コノハ知ってる。だから、コノハを信じて、守くん!」
コノハを完全に信じていなかった守*1もこれで制作に打ち込めるようで良かったです。「美少女の力」が楽しみです。「無双」しますかね。
ちなみに、この熱弁の前に守がため息をつくと、BGMが止まる演出は面白かったです。
第7話「雨降って地固まる」
「別の宇宙から来たみたいに元気」なコノハがリーダーシップを発揮して、主体的にゲーム制作を進めていて、楽しかったです。例えば、コノハ自ら原案を描いたキャラが多くなったことによる、シナリオが膨大化することへのキョンシーの懸念にも「美少女が受け止める*2」と説得し、他の場面ではキャラの口や目の動きを滑らかにするように指示していました。ただし、美少女のジャンル用語や特典における抱き枕以外のタペストリーなどは「寿限無」と言われ、通じないのは本作のお約束でした。私も時代を先取りしすぎて客に理解してもらえるのかは一つ気になります。コノハの立場はアメリカで学んだイラストレーターという設定で落ち着き、さらには目のハイライトを全部色分けしたり、レイヤーを200枚重ねたりと当時には考えられない技術をPCのスペックも含め、何とか収めた印象です。サブタイトル通り、「雨降って地固まる」でした。私の中ではかおりの「いなくならない!?」という言葉は心に響く重たい一言でした。
後はてんちょー(守の父親)にも救いを与えたシーンが良かったです。送られた封筒を手がかりに見つけたバッグにはコンシューマー版の資料が入っていて、市ヶ谷のコンシューマー版への熱意を通して、それを信じたてんちょーの目にも一定の評価がなされていました。
最後に今度は守がタイムリープですか!?
第8話「エコー」
1話丸々コノハを出さずに1985年の話で、しかもその時代らしからぬエコー1、エコー2、エコー3という人物を出していて、本筋からそれたことは残念ですが、少し不思議で奇妙な感じが良かったのでまぁいいでしょう。想像力というのが一つのテーマでそれは「経験に基づく推論」ではなく、「誰かの考えを自分のものとして感じられる」ものだそうです。あと、一番伝えたかったことは秋葉原の可能性が無限にあることなのでしょうかね。
その他、ラップスキャンという原画をトレースして、モニターに貼る技術やMusic Macro Languageなどの豆知識も健在でした。
第9話「またね!」
前回の次回予告ではサブタイトルが「ここどこ?」だったので、一話飛ばしてしまったかと思いました。視聴者の私が「ここどこ?」でした。後で確認したところ、これについては前回の次回予告が誤りあったと公式からのアナウンスがありました。さて本筋は一難去ってまた一難を地で行くような展開です。前半は字幕の演出も効果的に使いながら、ゲームの成功をみんなで祝っていました。ゲーム画面を見るに戦闘要素も入ったゲームなんですかね。冬夜との再会、そしていつかまたゲームをする(話す、作る)約束も素敵です。また後半の守とのシーンも含め、雪の降る夜の別れというのは見慣れてはいるものの、感傷的な気分を誘います。守の照れ隠しも印象に残ります。
守がこの時代に戻ってくるとゲームソフトが一部燃えて消えましたが、それは守が歴史を変えたことなのでしょうね。そしてそれがコノハの戻った2023年への暗示になっていました。
まとめ
全体としては、とにかくタイムリープを使って物語をかき回す構成ですね。1話1話の話は面白いので良いのですが、どういう結末を迎えるか全く分かりません。守にも親しみを持てた中盤でした。関連記事
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