2023年10-12月期アニメ「星屑テレパス」の5話~8話のコメントです。
第5話「無限ドリーマー」
学校の出来事が多く、学園物としての楽しさに加え、海果が学校での居場所を見つけていくことが今回のテーマになっていました。例えば、後半の合宿におけるワークショップではユウの後押しもあって、普段話さない人に自分の言いたいことを伝えていました。また、瞬目線での海果が度々描かれていていました。それは瞬の海果への関心の高さの裏返しでもあり、今まで他人に関心のなかった瞬の変化が心に響きます。おでこぱしーが話を全部聞くための積極的な文脈で使われたことも変化の一つです。そして、笑原先生が生徒のことをよく見ていて感心します。海果が部長になったこと、瞬が学校に来たことに喜んだことや、その流れを止めないためにこの部活申請を通すことを決意した*1ことです。
最後に内職はともかくバイクに花火までする瞬ですが、私は不良ではなく枠にはまってなくて良いなと思いました。無論、程度の問題はありますけど。
第6話「乾杯イニシエーション」
一つ今後の方向性が定まったと思います。それに瞬も秘密基地に入れて、3人の中に溶け込めたようで何よりです。モデルロケットに関する説明を受けた後で、海果
という台詞も友達であることを改めて感じられました。「今日はありがと、雷門さん」
後半に海果たちが彗と再会するシーンでは、彗と瞬の対比が際立ったと思いました。迷子になるように少し抜けていることが親しみやすいけど、技術については手の届かない位置にいる彗。対して瞬も知識はあるものの、取っつきにくさがあってみんなが憧れる人ではないことでしょうか。
とは言え瞬のロケットやエンジンの説明は興味深かったですし、これだけ語れる瞬は格好良かったです。
第7話「大胆リーダーシップ」
サブタイトルにある「リーダーシップ」について考えさせられました。前半は海果がノートに書かれた応援コメントの後押しを受けて部長会で発表することや、瞬の誕生日を祝う福利厚生で会員を気遣うリーダーシップが見られました。対して後半は冒頭から、瞬が夏の大会へ向けて製作の指揮を取っていて、それは引っ張るタイプのリーダーシップでした。また、海果がユウに悩みを打ち明けていましたが、そこでは海果は人の良いところを見ていたり、みんなでロケットを作りたいと目標を持っていたり、全体を俯瞰するような視野があって、それもリーダーシップの一面です。そしてリーダーとしての意識と実際の距離感の難しさはクレーンゲームにも表れていたと思います。それとは別に海果の頭上を天使が飛んでいる演出や、大会の出場要件*2を見て諦めかけた際の土を集める演出など、ちょっとしたシーンに頬が緩みました。
第8話「出陣ウルトラハイパワードリーム」
瞬が抱え込んでしまう性格であることが伝わった話ですね。冒頭の卵を割ることから離れられないこともそうですし、本題である今回の大会へ向けた目標と現状のギャップについても一人で背負っているように描かれていたと思います。この話の最初の方ではそれを辛うじて受け止められるのは遥乃なのかなと思う流れでした。しかし、最後にノートを見たことで海果にも心を動かされ、決して一人ではないということが瞬にも少なからず響いたようで良かったです。アプローチは違えど思いを共有できたことは同好会にとっても瞬にとっても大きな糧になったと思いました。本筋から離れますが、ユウの現代文が苦手なことは宇宙人であることと結びつき、練られた設定ですね。この回でやっと気づきました。
まとめ
瞬により愛着を持てた中盤4話でした。知識の豊富さ、関心のある対象への分析力だけに留まらず、時には感情や主張をはっきりと出していて、語弊のある言い方ですが"人間的"な一面が数々見られたからです。特に海果とは相互に刺激、影響を与えるストーリーになっていて第二の主人公とも言える印象でした。瞬の視点もそこそこあったと思いました。関連記事
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