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アニメ「ヤマノススメ Next Summit」 各話コメントⅢ(9話~12話)

2022年10-12月期アニメ「ヤマノススメ Next Summit」の9話~12話のコメントです。

第9話「渓流釣りって、人生?/ひなた一家と、いざ鎌倉!」

時間の使い方、一見無駄な時間にも意味があることがテーマの回でした。釣りの待ち時間や煎茶の待ち時間からそれが見て取れます。北鎌倉駅に着いた後に、鳩サブレを買いに行ったこともその一つで、後で小腹が空いたときに役立ち、無駄(遠回り)が無駄でないことの一例だったでしょう。
舞(ひなたの母親)

「無駄な時間も悪くないわ。忙しいとあっという間に時が過ぎていくから、たまに立ち止まると、かえって新鮮よ。休むってそういうことじゃない!?」

ちなみに、ひなたの母親役の声優が柚木涼香さんで、ひよりの母親(スローループ)、しずくの母親(ニジガク2期)と母親役が多い印象です。


第10話「新しい季節」

サブタイトルは「新しい季節」ですが、3期10話は「すれちがう季節」でして、特にひなたの態度については対になっています。それは、記念写真撮影に巻き込まれて、他の人の輪の中に入る(というと大げさですが、)あおいを見て、ひなたは余裕のある笑顔を見せます。3期の時のあおいが離れていくことをネガティブに見ていたことと反対になっていました。

この話は冒頭でザックの汚れを落としていましたが、「汚れを落とす」=「過去との別れ」と私は解釈しました。

後半の新年度の自己紹介後、

かすみ

「友達なら、当然でしょ」

という台詞はクラスが変わっても全くの0からのスタートでないことを意味していてこの1年の重みを感じます。

ゆうか

「相変わらず、仲がいいわね、二人とも」

からはこのコメントの最初で述べたようにあおいとひなたの新たな関係性を示したように聞こえました。

後半のうどんを食べた後に二人が寝転んでいるカットも印象的でした。


第11話「また会えたね!富士山」

ひかりさんにみおやかすみたち、さらには3期2話以来の登山グッズの店員さんと、今までのキャラクターが次々と出たことや、EDではメイン6人のカット*1が描かれていて、最終回的な様相もありましたが、富士登山へ新たに挑戦する姿が目に焼き付きました。

この回は今までと共通する部分とそうでない部分が印象に残ります。例えば、ひなたの家の庭で料理をしますが、これは1期4話などにも見られる共通する部分です。他には富士山に2期の富士登山の際にもいた外国人登山客がいることも挙げられます。

他方で、

ひなた

「あおい、前より歩くの速くなったんじゃない」

はあおいの目に見えた成長ですし、
あおい

「みんなの意見と私の体力を総合して判断すると、上りはひなたの意見を取り入れて、須走ルートにするのが確実な気がする。(ひなた「うん」)帰りはかえでさんの希望を取り入れて御殿場ルート、その途中、ここなちゃんが気になる宝永山にも立ち寄るっていうプランはどうかな?」

とあおいが周りを踏まえつつ、積極的な提案ができるようになったことも大きな変化です。
ひなた

「もしもの時は、私があおいの荷物を持たなきゃだもんね」

ひなた

「決めた。今回は別の行動食にする。羊羹はあきらめよう」

このようにひなたが羊羹をあきらめたことやあおいが金剛杖からトレッキングポールに変えたことも同様に今までと異なる特徴的な場面でした。

共通する大切にすべき部分と今回変えた部分とが上手く重なって富士登山という次のステップへ進むように感じました。

細かいところでは、車に乗っているときにカーブに揺られるここなちゃんたちのシーンが面白かったです。


最終話(第12話)「行こう!新しい頂きへ」

「最終話」とテロップが出たのは4シリーズで初めてで、終わってしまうんだなと寂しいものもありました。最後にあおい自身が将来のあおいにメッセージを述べる場面を見ていても、締め方としてすごく感動する反面、アニメ作品としては次がないように思ってしまい作品と別れる辛い感情もありました。

さて本題です。

ひなた

「人のためじゃなくて、自分のために登ろうぜ」

ひなた

「今のあおいは1年前とは違うでしょう。私はあおいの力、信じてるよ」

そう簡単に登れない中で、ひなたの心強さが感じ取れました。

あおい

「山頂についた時の気持ちは、思ったよりあっさりしていて。それはたぶん、あの時の悔しさからたくさんのことを学んで、たくさんの山を登って、色んなものをもう手に入れていたから。そう、私はここに最後のピースを拾いに来たんだ」

この台詞にもあるように、本作は山に登ることだけでなく、そこに至るまでの出来事や思いを大切にしてきたと私は思っています。(この富士登山は)結果も大事ですが、そこの目標に向けて積み重ねたことの数々があるからこそ、あおいの糧になり、視聴者が寄り添えるのではないかとしみじみ感じました。

他には小屋で湯呑が隣り合って置いてあるカットはあおいとひなたの関係性を表していますし、スタッカート・デイズの選曲もそこに集約されたように思いました。


まとめ

あおいが登頂できたことへの嬉しさの一方で、アニメが終わってしまったという寂しさもあって複雑な心境です。視聴者としてはずっと見ていたいと思ってしまうわけです。あおいのたとえ一歩は小さくても前向きな姿には心が洗われました。

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*1:なぜ入浴シーンのカットが多かったのでしょうか(笑)