2023年4-6月期アニメ「ワールドダイスター」の9話~12話のコメントです。
第9話「ワールドダイスター」
作品タイトルをサブタイトルにしたので、大きな動きがあるのかと思っていましたが、箸休め回でした。夏休みだと舞台の方も時間的余裕があるようです。テレーゼ(カトリナの母親)の演技の後、ここなが真似をするシーンがあって、周りからは肝が据わっていると言われましたが、それだけここなの演技好きな一面と、演技の基礎が身に付いてきたことを表しているように思いました。
ぱんだはSNSでの発信やエゴサに拘るキャラだったですね。(以前にもあった気もしますが、記憶がいい加減なもので)
ワールドダイスターについてはSPは付くし、自家用機はあるし、とその偉大さが見てとれます。
さらには
「ワールドだ!」
ワールドダイスターは色々規格外だそうです。
第10話「それぞれの幻影」
『オペラ座の怪人』のオーディションに向けて個々に準備をするここなたちですが、今回は静香が『オペラ座の怪人』に出てくるファントムと重なる部分があることを暗示した展開でした。つまり陰の存在として主役のここなを支えるに留まり、日の目を浴びる存在にはなれないことです。八恵からオーディションに出てみないかと言われた際には気持ちを押し殺して、「センスだから」と答えていて、背景は違えど、表舞台に出られない心境がじわじわと伝わってきます。
「役作り、一人でできるようになったんだ」
第11話「私たちの約束」
「自分の気持ちにウソついてたら、いい演技なんかできないよ」
「舞台に立ちたい。いい役が欲しい! 誰よりも輝きたい、他の役者を蹴落としてでも! 私の方が絶対に演技は完璧だったはず。私が一番舞台に立ちたい。なのに、どうして、誰も私を理解しない!」
「(前略)でも思っていいんだよ。役者なんだもん。ワールドダイスターになりたいならなおさら。その気持ちを忘れないで。だから返すねその気持ち。舞台に立てない私が持っているべきじゃないもの」
「(前略)あなたはまだ自分のことを理解していない。舞台に立つということは芝居を通して自分を知ることよ。(後略)」
子どもの時分と向き合うシーンも特徴的です。静香は子どもの頃の気持ちを思い出させてくれて、ここなが大切なものを掴むきっかけになったと思います。
最後に、次回予告の「ふたり」だけ文字が大きかったように見えました。
第12話「きっとふたりで」
『オペラ座の怪人』の舞台を通して、ここなと静香の関係性、「センス」の在り方が見えてきました。ファントムと静香が重なるのは言うまでもありませんが、そのファントムをここなが演じることで、今までここなが持っていなくて、また表現できなかったことを自分の物にできたように見えました。“センス”については
「センスは可能性。(中略)それは夢を叶える力。(後略)」
「この感覚テレーゼさんと同じ」
とは言え正直、静香があっさり戻ってきた印象はありますが、いなくなったままも寂しいですし、まぁいいのかなとは思いました。(恐らく、これからのゲーム展開のこともあるのでしょうからね)
あとは7話のアラジン同様に舞台そのものが面白かったです。ここなも八恵も台詞の言い回しも含めて演技が力強かったです。さらに音楽もたくさんあり、舞台だけでも十分見応えがありました。
まとめ
演劇アニメとして、演者の葛藤を丁寧に描いていました。演じる役と気持ちを重ね合わせた構成は、物語を展開する上で基本的なことなのかもしれませんが、それが本作の分かりやすさに繋がっていたと思います。“センス”という超能力的要素も過度に使いすぎず、地に足が付いていました。関連記事
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