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アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」 各話コメントⅢ(10話~13話)

2023年7-9月期アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」の10話~13話のコメントです。

第10話「いってらっしゃいヨハネちゃん!」

ライラプスヨハネの門出を素直に喜べない姿が見えてきます。

パーティーが始まる前にリュウたちはヨハネがヌマヅを離れることを寂しいと言っていましたが、ライラプスの気持ちを代弁しているような描写ですね。それとヨハネも触れていましたが、パーティーの準備では廃材を利用していて、それをヨハネ自身と重ねるようなシーンはキャラの心情や状態を表現するのに面白い方法だと思いました。

細かいところではヨハネがヌマヅ代表になっていく際の尾ひれの付き方は、見ている方としては笑ってしまうくらい大げさでした。また、ヨハネの店に「充電中」という看板が立て掛けられていて、言い得て妙でした。


第11話「ヨハネのまほう」

中々腹を割って話せないヨハネライラプスです。異変が落ち着き部屋に戻った際に、前回の都会行き時になぜ見送ってくれなかったかを尋ねても釈然としない様子でした。

ヨハネを元気づけるためにみんなが不器用ながら出し物を企画する場面は友情を感じられました。特にチカの「友達として」という言葉は、相手の懐に入れますし、特に理由がなくてもただ元気づけたいという気持ちが伝わる素敵な言葉です。本作の“まほう”とは違うのかもしれませんが、「友達」も“まほう”の言葉ですね。また、それはヨハネライラプスには足りない「素直さ」に重なるところがありました。


第12話「さよならライラプス

魔法や心の音といった今までの要素とヨハネライラプスがつながった、一つの山場でした。思い出を回想しながらヨハネライラプスの関係が描かれ、修復されていくのが見事でした。

ミキがサクラの家出の原因を嫌われたことにあると考えていましたが、それはヨハネが自分の旅立ちをライラプスに祝ってもらえないことをどう受け止めていたかと重なるところがあったのではないかと思います。実際にはサクラはミキを元気づけるために花を摘みに出かけただけなのですが、理由は違えど誤解ですれ違っていうのがヨハネライラプスに似ています。

私としては、9話でヨハネの母親が課した約束の1つである「ケンカしても仲直りすること」とつながったことも優れたまとめ方だったと思います。

そして、最後のライラプスの「ワン」という鳴き声は二人の関係の一区切りを表していて、印象に残るシーンでした。


第13話「そして今日も」

12話がとてもまとまっていたので、実は異変が続いていたことを忘れていました。正直、異変そのものにはあまり関心や重きを置いていなかったです。

ここで、コハクの「ダイヤ、あなたはこの町の執務長官でしょ」という台詞を取り上げたいです。と言うのも、11話でチカたちがヨハネを励ますシーンなどでもそうですが、立場を超えて率直な言葉遣いで相手の背中を押す場面が見られ、そのような仲間がいることの大切さを作品の骨格としていたのではないかと感じたからです。

他には、異変後の復興のシーンでマリが紙芝居を通して異変や歌を伝承しているのが素敵に思いました。「シャイニー!」というファンサービス的な一言もありましたし。

そして、ヨハネは母親との宿題がまだ、と言っていましたが、もうある程度達成したのではないかと私は思います。主体的にヌマヅを選び*1、みんなと歌を歌うことの楽しさを見つけている訳ですから。前向きな終わり方で何よりです。


まとめ

ライラプスとの関係に焦点を当てた終盤でした。ライラプスヨハネの成長を受け入れ、ライラプスも一人前になったという描き方に感心しました。ライラプスを単なるマスコットキャラクターとしてではなく、ヨハネの家族として、友達として、勇気づけたりケンカしたりしてお互いに成長していくキャラクターに位置づけたことはストーリーに厚みを持たせていました。作品自体は難解な部分もありましたが、元とは異なる題材でも物語を可能にしたことは、スピンオフ作品の可能性を広げたと思います。

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*1:以前都会へ行ったのはヌマヅから離れたいという消極的な理由だったことに対して